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前回紹介した南の島のティオ、改めて読み返してそのすばらしさを再確認しました。以下いくつか抜粋と自分用のメモです。

・新しい土地に着くといつもワクワクする
・島のハイスクールを出たら、カレッジに進学するのも良いけど、旅行をたくさんする、という勉強法だってある
・遠方で大事なものがいつまでもまっているというのは、なかなか幸福なことではないだろうか

ふたつ目の文を読んだ時に、インドを旅した時一緒になった女の子を思い出しました。バラナシからネパールのポカラを経てデリーまで。彼女はいつも音楽を聞いていて、特にスチャダラパーの「借金してでも旅に出よう」というフレーズを気に入っていて、何度もそのフレーズを歌っていた。そんな歌を、はたちそこそこで何度も聞かされた僕は、まだ今よりは価値観が柔らかく、基本的な考え方を構成している最中で、その形成に大きく影響をされた気がする。日本でスチャダラパーのその歌を聞いていてももしかしたらそんなこと思わなかったかもしれないけれど、日本から遠く離れたインドでそんな歌を口ずさむ彼女を見ていて、自分の深いところに着地しているような気がしています。

彼女のために日本に帰ってからミックステープを作って、パキスタンの日本人大使館にそれを送ったのも良い思い出です。その数年後、僕は学生ローンで40万円を借金して、それを握りしめて東アフリカ2ヶ月間の旅に出ました。

ティオに出てきた「旅行をたくさんする、という勉強法だってある」という考えをふとした時に言語化できる人間になっていたら、うれしいです。


こんな感覚を同じように持っている人とたまたま出会ったときの、その意気投合ぶりと、すすむ酒席の雰囲気がとても好きです。なかなかないのだけれど、すっかり共有できる感覚な気がしています。

先週は日本に帰っていました。
たくさんの刺激をもらいました、それもまたゆっくりと。





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先週から今週にかけてシンガポールでは飛び石連休がありました。飛び石連休、っていい響きですね。

理由は昨日11/6がインドのDiwaliというお正月のような非常に大切な日だったからです。ここシンガポールは人口の7%くらい?がインド系の人なのでしっかりインドの大切な日も祝日になります。ちなみにクリスマスも旧正月(中国正月)も元旦もイスラム教の断食明けも、すべて休みです。それだけ多種の人がお互いをリスペクトしながら共存している、と締めれば口当たりはいいですが、そんな簡単な話では無いようにも実感として感じます。今回はそういった話ではありません。笑

その飛び石連休を利用してタイのリペ島という島に行って来ました。こちらに住んでいる人でも知っている人は少ないので、日本に住んでいて知っている人はもっと少ないと思います。Google先生に聞くと、さっとそのポイントを教えてくれます。便利な世の中になりました。そういえば少し前に上司と話していて、Googleで調べてなんでも「知れる」からバックパッカーは減っている、という記事があったが本当だろうか?という会話をしました。前のエントリーで紹介した小島聖さんの言葉とは真逆ですね。

Google先生による検索結果には「タイ最後の楽園」などと書いてあります。あといったいいくつの「最後の楽園」がこの世の中にあるのかわかりませんが、そういった類に分類される島です。

シンガポールからマレーシアのランカウイ島へ、入国後車で港へ、再びマレーシアを出国してそこから高速船で1時間半、その後小さな船に乗り換えて島へ上陸、今まで通ったたくさんの入国審査の中で一番小さな審査でタイに入国して、そこから小さなスクーターでホテルへ。丸一日の長い移動の先にあった風景は本当にすばらしいものでした。

どこか旅行へ行く時に念入りに選ぶのは持っていく本です。Kindleの比率が上がっても、現地で何を読もうか、は念入りに検討します。やっぱりその土地に関連する本や物語を読むと、自然と良いケミストリーができて、とても思い出深いものになる気がします。反対に全く違う話や強烈すぎるものを選ぶと、その旅の記憶が多分にそれに引っ張られたりする。話は脱線しますが、以前のFOUR TOMORROWのHPに掲載していた野澤くんの漂流帰路(どうにかして復活できないのか!?)の後日談インタビューをうさみ女史 aka なおきの嫁、と新宿で決行した時、彼女が同様の例として、どこかの山の上で安倍公房の砂の女を読み、その時の記憶が完全にそれになった!というエピソードを披露してくれましたが、なぜだか今でもそれは鮮明に記憶に残っている話です。

そんな訳で今回は南の島といえばこれだろう!という個人的決定版、池澤夏樹「南の島のティオ」(スーパー推薦図書)を持って行きました。この本は南の島(イメージ的にはパプアニューギニアに近い赤道直下のミクロネシアの小国?)に住む少年ティオの周りで起こる小さくて不思議な物語をまとめた短編集で、この島は周りをキレイなサンゴ礁に囲われていて、大きな船は港以外は近づけず、サンゴ礁や潮の流れ、満ち引きをしっかり理解していないと島に近づけない、という話ものっています。

リペ島はまさにそんな島で、海岸から3分も泳げばサンゴ礁があり、そこでシュノーケリングをすればたくさんの色とりどりの熱帯魚を簡単に見ることができました。潮が引いた時にはほとんど歩いてこのサンゴ礁まで行けるため、浜には「サンゴの上を歩かないで!」「自然を大切にして!サンゴは生きている!」のような看板が等間隔で立っていました。

島には信号は一つもなく、目ぬき通りには観光客向けのおみやげ屋さんやレストランが並びますが、そこは他のタイのリゾートのようながめつさはなく、まだまだ素朴さの残るとてもステキな島でした。少ししゃれたレストランがあるな、と思って覗くと、たいていオーナー?のような欧米人が在住、その仲間?のようなウエイターも一緒にいたのが印象的でした。

2日目にシュノーケリングをした後、お昼ご飯を食べて海に戻ると、すでに随分と潮が引いていました。僕たちは「これではシュノーケリングはできないな」と、砂浜で砂で遊び始めました。山を作ったり岡を作ったり、穴をほったり。そんなことをしていると少し遠くで「ピーーーーーー!!!!!!」という笛の音が響きました。目の前の青い海青い空、の風景とは似つかわしく無いとても大きな人工的な音です。少し経ってもう一度「ピーーーーーー!!!!!」

海の方を見ると「サンゴの上を歩かないで!」という看板を持った50歳くらいの白人(ここでは名前をトニーとしましょう)が笛を吹き、沖にいる人に向け看板を見せています。どうやら干潮の中、サンゴに近づきサンゴの上を歩いていたようです。注意をされた観光客はそそくさとサンゴから足をおろし、陸に戻っていきます。

その後もあちこちで「ピーーーー!!!」「ピーーーーー!!!!!」と笛の音。トニーは砂浜をあっちにいったりこっちにいったり、歩きながらサンゴを保全すべく、サンゴの上に近づきそうな観光客に注意を与え続けます。

ようやく笛の音が鳴り止んだ、と思ったら、トニーは今度はゴミ袋を引っ張り出し、浜辺に打ち上げられたゴミを拾い始めました。海を汚染し、環境に甚大な影響を与える海洋ゴミの多くはプラスチックで、それへの反対アクションとしてスターバックスがプラスチック製ストローをやめ、紙のストローに変更することを決めた、というニュースは少し前に日本でも大きく報道されました。リペ島でも多くはないですが、砂浜に打ち上げられたプラスチックのゴミをそれなりに見つけていました。

昔バックパッカーだったトニー。東南アジアを流れ流され流れた果てに、15年前にたどり着いた当時ほぼ辺境だったリペ島。その美しさと豊かすぎる自然に一瞬で恋に落ち、滞在可能な3ヶ月間を過ごし、その後は一度タイの外に出てはすぐにリペ島に戻り滞在可能日数ギリギリまで滞在、また出ては戻る、という生活を繰り返す日々。そのうち島の女性と恋に落ち、小さなレストランを開店した後、子宝にも恵まれる。少しずつリペ島も認知度が上がり、島に来る観光客も増え、トニーの開店したピザレストラン「Tony's PIZZA」も評判になり大繁盛、すっかり裕福になったトニーはお店は奥さんと使用人に任せ、自分は大好きなリペの海をキレイに保つために、浜でパトロールとゴミ拾いをする毎日。

なんてことをヘラヘラと妄想していた時、ゴミを拾いながらちょうど僕たちの真ん前を通り過ぎようとしたトニーが、海の中から誰かが捨てて流されて来た、ゴミのペットボトルを拾いあげ、それを一瞥して確認した瞬間、真っ赤な顔をしてペットボトルを渾身の力ですぐ近くにあった岩に叩きつけました。

叩きつけられたペットボトルは、中に海水が入っていたため大きな鈍い音をたて水が飛び散りました。僕が今さっき妄想していたようなこととは明らかに真逆の、とてもネガティブな感情が彼の表情と一連の「拾ったゴミを叩きつける」という行動から溢れ出ていました。

そして僕は、つい今しがた自分がしていた、自己都合として気持ちの良いヘラヘラした妄想にとても嫌になりました。

キレイな海を守りたいと思いながら、拾っても拾っても毎日流れて来る大量のゴミ。SNS投稿のために看板を無視してサンゴを踏みつける自分勝手な観光客。その投稿がさらなる観光客を呼び溢れかえる観光客とマナーを外れた行動。話をしても全く理解を示さない(価値観の異なる)現地の漁師たち。疎まれる日々。自分一人の無力さとの戦い。増えない仲間。ネガティブな感情、それを越えようとする日々の小さな具体的な行動、それをうわまってやって来るネガティブな闇。



こんな時に僕は何をすればいいのだろう?

そんなことを思いながら、海と空はやっぱりとても青く澄んでいました。



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10/31/2018    旅へ *山岡書いた
ハロウインですね。

といっても小さい頃から記憶にある思い出深い日、ではなくて、どうしても最近認知した日、に感じてしまいますが、それは例えば両親にとってのクリスマスやバレンタインなんかもそうであったのかもしれないので、楽しめるなら楽しみたい!と思いながら、そうやって楽しめる日が増え続けるわけもない、とも思うので、ひっそりと消えていった日ってのはいったいどんな日なんだろう、なんて考えたりします。

最近のPOPEYEがひとり旅の特集で「クー!」とかなっていたのですが、10月に一時帰国した際に本屋さんでぶらりと見つけたBRUTUSも同じような企画で、確かに同じ会社ではあるのだけれど「クー!」が2乗になって、でもそう書いてから、1をいったい何乗しても1だよな、なんて思いました。なんだ?

言いたいことは「本屋さんをぶらりとして、目に入った「おお!」って本を買って、すぐに近くの喫茶店で読み出す、その一連の流れは最高ですよね」と言うこと。そう、それももちろんそうなんですが、本題に戻すと「ひとり旅」というワーディングは、いつまで経ってもこころをザワザワさせることばだよなぁ、ということです。わかりにくいですね、はい。笑

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そんなBRUTUSで冒頭に紹介されていたのが、小島聖さんの「野生のベリージャム」というエッセイでした。実は僕は中学校以来の小島聖ファンなので、事前にエッセイが発売される、という情報をキャッチ、本は入手していました。笑

でも買ったはいいけど、「本屋さんをぶらり〜」の一連の最高の流れじゃない場合、ましてやAmazonなんかで買って家に他のものと一緒に送られて来た時は、実はなかなかすぐに読み出さず、「とりあえず読んでいない本はここに」なんて、ぽんっと、積ん読山の地層の一部を形成するOne Of Themになること、結構ありますよね?今回紹介されたいたのを受け、地層の一部となりかけていたそれを引っ張り出してきて読み始めたところ、これが本当にすばらしくて、あっという間に読了しました。

影ながら細々と更新されるBlogを時々覗いて、更新されていた時には喜びを感じて読みながら、少しづつ変化していく趣向を垣間見ながら応援してい他のですが(言語化すると少しヤヴァイですね笑)、改めてそれらが体系的によくわかりました。なによりもまったく意識していなかったのですが、結果として同じような人たちに魅力を感じ、著作を読み、影響を受けていたのがわかり、とても嬉しかったです。


「体験が私を豊かにしてくれる」
「やっぱり言葉で伝えるということはとても大切な行為だ」


そうやってこれだけの経験をシンプルに言語化できることは、とてもすごいと思う。
この本とこの本で紹介されている本を持って、旅にでたいです。アジアの小さな街か、ネパールがいいな。

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いろいろと時間を確保しにくい時期が続いていたのですが、ひと段落しているので久しぶりに個人スタジオに入ってきました。手帳で振り返ってみると、半年ぶりでした。半年の間に溜め込んで、携帯の中に散らかりっぱなしだった曲のかけらを整理して、この後どういった風に仕上げていこうか、と考えを巡らせて。そんな時間はなかなか楽しくて、予約していた2時間はあっという間でした。

スタジオの壁に貼ってあったのがこれ。
パンクフライヤーがスタジオに貼られてあるのはスーパー管理国家ここシンガポールも同じで、万国共通なんですね。

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THE CAULFIELD CULTはシンガポールでは珍しいNO IDEA RECORDSよりのバンドで、かっこよかったのですが残念ながら解散してしまいました。FEST2016-17にも出演していてこれからに注目していたのですが残念です。
BANDCAMPはこちら

そしてその下に貼ってあるのはXINGFOO&ROY(シンフーアンドロイ)、こちらはWaterslideによる日本ツアーが2017年にあったので、覚えている方も多いかもしれません。
ツアーこちら

この日本ツアーの後に本国シンガポールで開催されたアルバムリリースGIGに行ったのですが、たくさんの人が溢れ、とても盛り上がっていました。(アルバムはこちらです)シンガポールに限らず、東南アジアではこの手のバンドが今とても良い具合です。先日自力で日本ツアーを行っていたインドネシアのEleventwelfthもそうで、こちらにいるとかなりの格になっているのですが、日本ではまだまだ無名で、そういった意味でアジアのシーンはこれから相当面白くなるなぁ、と肌で感じています。

MATSURIの時にEleventwelfthの件でWaterslideのカズさんと少し話をしたのですが、改めてそのカバー範囲の広さに驚き脱帽でした。そして、これまでIndieですら欧米中心だった音楽シーンも、これからどんどん変わっていくんだろうなぁ、日本はどうなっていくかなぁ、なんてことを感じている今日この頃です。他の国にも本当にかっこいいバンドが出て来ていて、機会を見つけて紹介したいと思ってます。

会社に、学生時代香港に留学していた後輩がいるのですが、彼がことあるごとに「日本語の情報カバーの広さの凄さ」なることを言います。英語で何かを検索すれば、もちろん最もたくさんの情報ソースにアクセスできます。でも英語以外でここまで多様な情報が溢れている日本語は、非常に稀有な存在である、中国語ですら(当局の意思もあるでしょうが)ここまでのソースは無い、と。上記で挙げた2つのバンドも、検索すれば日本語の情報が出て来ます。そういった意味で改めてWaterslideの存在は大きいなぁ、と感じている今日この頃、本当にRespectです。

サブスクリプションのおかげで本当に時間がいくらあっても足りない、聞きたいバンドがありすぎる、今日この頃です。