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食べること、に関してはだいぶ無頓着であると自覚しているのである。



だれしも人には千差万別に、それぞれの「生活の比重」ってものがあると思う。

例えば、「俺は仕事に生きる!」とか、「あたしには恋愛こそ全てよ!」ってのとか、

それこそ俺達みたいに金にもならないような音楽をやってる人間にとって「バンド」ってのは大きいし。

もちろんそれが極端に突出している人ばかりではないわけだけど、それでもそれなりに「なに」に比重を置くかってのはそれぞれあると思う。



でね、俺はその中で、「モノを食べる」という部分が人よりもだいぶ少ないんではないかと思うわけだ。

グルメ、ってのは最早死語かもしれないけど、その対極に位置しているのではないか、と。

例えば飯を食いに行ってね、「まずくて食えたもんじゃねえよ!」とかっての、今まで生きてておそらく皆無に近い。

腹が減っていれば、それなりになんでもいける。

自分一人で飯を食いに行くのであればね、それこそワンコインで間に合う丼屋で十分だと思っているわけさ。


もちろん旨い飯を食えばそれなりに感動はするよ。

タバコをやめたことと、出張が多い部署に異動になったうちの部長はここ一年くらい、

「すげえやべえバンド見つけたぜ!」ってのが、「あそこの飯屋は旨いぞ!」にシフトしつつある。

部長お勧めの飯屋に行ったときは、「おお、こんな旨いものも世の中にあるんだなあ!」って思うし。

俺達の友達、ドドが三重でやっている「タイム」ってカフェで食事したときも、「こんな食い物があるんだなあ」って関心したし。


ただし、だからと言って普段から「何か旨いものを!」って欲求は湧き上がってくるかというと、そういうわけでもないのである。


食と音楽の融合する素晴らしい企画、フードストック。それを主催する我らが盟友南雲は飯を本当に旨そうに食う。

こいつは食べることが好きなんだなあって思う反面、俺はきっとこんなに旨そうな顔してはいないんだろうなって少しさみしくなるくらいだ。



で、そんな「食」に無頓着な俺が最近しきりに感心してしまう事があって。


最初に食ったやつ、すげえな。ってことである。


ここ何か月か、ちょくちょく思うんだけどさ。

俺は肉よりも断然魚、というか魚介類派なんだけどね。

特に貝類には目が無いわけで、牡蠣なんかは「これ以上食ったら鼻の穴から牡蠣が出てくるんじゃねえか」ってくらい無茶な食い方したいと思うくらいで。

考えたんだけど、牡蠣を最初に食ったやつって凄くねえか!?

あんなにもゴテゴテな貝殻の中から出てきた、グロテスクな見た目のものを、口に入れる気にならなくね?

食べる前に様子を伺う意味で刃物を入れたとして、ミソみたいな緑色のぐちゃぐちゃが出てきちゃうじゃん!?


例えば俺が牡蠣という存在を知らないとして、初めて出会ったとしよう。

うちのメンバーが俺に言うわけだ。「大丈夫だって!たぶん食えるって!!」

ヒャクパ食わねえから。そんなもん食えないに決まってるから。

どちらかと言えば罰ゲームのノリに近いだろ、あの見た目は。

だからこそ、あれを最初に口に入れたやつの勇気は感謝に値すると考えるんだ、俺は。

そいつがいなけりゃ、俺の人生の楽しみの何パーかは確実に削られてるからね。



あとね、野菜全般。あれも最初に食ったやつは凄いと思う。

今でこそ当たり前に食べているもので、むしろ栄養学的な観点から言えば生きるのには必須であるわけだけどね。


現代においては農業でまかなってるわけだけどね、もともとは自然発生なわけでしょ?

生えてたわけじゃん、そこらへんに?

絶対にさ、悪ノリしたやつがいるんだよ。二、三人でいてさ、みんなすげえ腹減ってて。


「俺さ、もう、そこに生えてる草食っちゃうわ!!」

「マジで!?やめとけって!!それはないって!ナシだって!」

「うわぁ~、つーかこいつマジで食ってんだけど!超うけんだけど!」

「あれ。けっこういけるんだけど。」

「ウソつけよ!」「そんなわけねえだろ!」「いや、マジで。」「マジで?」「食ってみろって。」「無理だって。」

「いいから食えって。」「お前、俺のこと騙そうとしてんだろ?」「ちげーって!」「マ、マジで??」

「俺、別に騙されるってわかってるけど、あえていっちゃうよ?」「え、じゃあ俺もいっちゃおうかな??」

「うわ、ホントだ。普通に食えるわ。」「な!」


絶対そう。原始人あたりのとこでこんな流れになったに違いないんだよ。

じゃなきゃ説明つかねえもの。

草、食わねえもの。




この間誰かに聞いた話なんだけどさ。

河豚、あるじゃん?フグ。

今でこそ調理免許を持っている人がきちんとした知識を持ってさばいてくれるから、毒も気にせず食べることが出来るじゃない?

あれさ、江戸辺りじゃさ、バンバン死んでたらしいよ。フグ食って。


すごくね?死んでんだぜ!?


もちろん最初は毒があるなんて誰も知らないから、死人が出るのはわかる。

なにがすげえって、それ食って死んでるやつがいるのを見てなお、「いや、俺も食うわ。」ってやつのタフネス。


誰でもいいけど、例えば朝青龍。

道に立ってるわけ。

首から下がってるプラカードにね、「ワタシをボコボコにしたら、一億円あげます」って書いてあるんだわ。

お調子者が、まあ挑戦するよね。でまあ、あいつは加減なしで来るよ。

本気で朝青龍。マジ青龍。そんなもん素人は何か月か顔の判別つかないくらいやられるよ。


で、それ見てさ。

行く?あなたなら行く??


俺ならね、口説き倒してやっと初デートにこぎつけた隣を歩くスレンダーな美女が、

「ええ~!見たい見たい!!典明の格好いいとこ見たい!!」って腕絡ませてきても断るね。

人類の「食」に対するフロンティアスピリッツのなんたるかを垣間見ることの出来る、信じがたいエピソードだよな。



そして俺は、このフグの話からヒントを得たぜ。

「オトコのなんたるか」を、さ。

つまりだなぁ~、

オトコたるもの、ちょっと危ないくらいの方が魅力的である、と。



これからは、おもむろに懐から葉巻きなんかを取り出して火をつけて、遠い目しながら「フッ」なんて呟いて。

で、バシバシ女を食っていこうかと。




なんだこの、一生売れない落語家みたいなオチは。

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