fc2ブログ
前回の日記のコメントでも記したとおり、資格を持ってるんですよ、俺。

ロマンチスト一級。国際免許です。




あれ、確か高校のときだったな。懐かしいなぁ~。


うちの母親がね、俺に言ったんですよ。

「典明、これからは男性だってロマンチストでいい時代なのよ!

今から資格持っておけば将来困らないんだからね!」

当時の俺はロマンチックなんてカケラもなかったし、興味もまったくなかったんだけどさ。

母親が勝手に決めてきて。

高2だったかな、夏休みまるまる使って資格取りに行ったんですよね。

合宿で。



最初はホントに嫌でね~。

ロマンチストの資格なんて取るものですか!ってちょっと反抗的な態度でいたんだけどさ。

講師の先生の熱心な講習で、次第に俺も「ロマンチック」がいかに素晴らしいかってのに気付き始めてさ。


とりあえず、花の名前と星の名前はひたすら覚えたよね。

これはもうロマンチストの基本というかなんというか、ギターで言うところの「コード」を覚えるのと同じようなもので。

結局、合宿中一番多かった授業がこの「花と星」だったからね。



合宿は一か月近く続いたんだけどさ、さすがに途中で家に帰りたくなって、合宿所を逃げ出したことがあってね。

俺みたいなやつがロマンチストを語る資格なんてないよ!って、ちょっと自暴自棄的な感じで。

あのとき俺を追いかけて来てくれた先生の言葉、今でも忘れられないなぁ。


「長沢君、あなたが立派なロマンチストになって帰ることを願っているあなたのお母さんも、

きっと今同じこの星を見ているはずよ。」って。



ご存知ない方もいらっしゃると思うんで説明しときますけどね。

ロマンチスト資格試験受講者の等級は、最後の資格試験で出された問題の答えを、

世界で11人のみ選ばれたMVR(モスト・ヴァリアス・ロマンチスト)によって決められるんですけど。

一級ってのはなかなか出るもんじゃなくてね。一年で一人出ればいいほうだと言われてるくらいで。


その時ね、フランスから留学中の大学生がいてさ。

合宿中も生徒みんなで「あいつはひょっとしたら取るんじゃないか?一級?」って噂になってたくらいでね。

そいつはホントに、生まれながらのロマンチストみたいな男で。


合宿の途中で、生徒全員で合格祈願の絵馬を書きに神社にいったことがあったんだけどね。

俺は、「立派なロマンチストになれますように」って普通に書いたんだけどさ。

そいつの絵馬見たらね、勉強中の日本語でこう書いてあったんだわ。


「世界の人口が、常に偶数でありますように」


なんであんなことを書いたの?って聞いたらね、そいつはこう答えたわけ。

「世界ノ人口ガ偶数ナラ、必ズ誰カトぺあニナル事ガ出来マスカラ。」って。

正直ね、こいつには勝てないって思ったよ。



試験の日。

試験の内容はそのときのMVRによって決められるんだけどさ。

俺のときの試験は、「夜空に見える星で、自分オリジナルの星座をつくる」って内容で。

だいたいの生徒はね、適当に星を結んで、合宿中に覚えた花の名前なんかをつけたわけなんだけど。

俺はさ、こう言ってやったんだよ。


「僕には、今輝く星達が素晴らしく奇麗に見えます。

でもそれも、例えば気分が落ち込んでいるときには鈍く光って見えるときもあるでしょう。

ですから、今ここであの星達に名前をつけることは出来ません。

あえてつけるなら、イマジン。そう、イマジンでしょうか。」


結局、試験の結果はフランス人が二級、俺が一級という快挙を成し遂げてね。

発表を聞いたときは、嬉しかったなあ。


全ての合宿が終わってパーティーを開いて。

最後の最後で生徒代表の挨拶を任されたんだよね、俺。


「僕等は今日を持って、この合宿所と言う名の港を出発する船です。

乗組員は今は一人。いつか増えることもあるかもしれません。

ときには嵐のときもあるでしょう。挫折しそうになったとき、僕等はここで学んだことを思い出して頑張ろうと思います。

自分という花の花言葉を見つけるその日まで、僕等は舵を取り続けることを誓います。」

あれは感動的なフィナーレだったなぁ。

ちょっと自慢みたいに聞こえるかもしれませんけど笑


そうそう、余談ですが例のフランス人。

今ではMVRとして世界中を飛び回ってるそうですよ。







つーか、これだったんじゃね?

四月一日に書くべきは、これだったんじゃね??

スポンサーサイト



Secret

TrackBack URL
→http://fourtomorrow.blog26.fc2.com/tb.php/463-c99c5eba