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とは言っても、漫画に比べたら人に誇れるほど読んでないんですけどね。

それでもまあ、一応三十年生きてきた中で読んできた活字で、これは、というものをあげたいと思います。


連日の猛暑ですが、こんな日は外にイス持ってって日陰で読書もオツなもんですよね。

で、そんなときはやっぱり漫画ではなく小説だろう、ということで。








~「海になみだはいらない」灰谷健次郎・新潮文庫~


子供を書かせたら日本一、の灰谷健次郎さんの短編集。

これに限らず灰谷作品は全人類必読だと思ってます、個人的には。


子供の頃って誰にでもあって、それは誰もが必ず経験してることなんですけど。

大人になるとやっぱり忘れていってしまうんですよね。

灰谷作品を読むと、「自分が子供の頃に思っていた事」を鮮やかに思い出させてくれます。


これは、俺が小学校低学年の頃に母親が「これ読みなさい!」って買ってくれたもので。

当時、少なからず「片親である」ということが生活に良くも悪くも影響していた俺は、

同世代よりもいくらか登場人物に感情移入しやすかったんでしょう。

子供心に感銘を受けたんですけど。


大人になって、ふと本屋で目について、懐かしくなって購入して読み直したんですよ。

いい作品ってのは、いつ読んでも素晴らしい、ということを教えてもらいましたね。

灰谷作品はどれを読んでもいいと思いますが、もしも初めて読むなら。

短編で入りやすいということで、これか「ろくべえ まってろよ」をお薦めします。


なによりも「海になみだはいらない」ってさ。

単純に、内容云々抜きにしても、素晴らしく美しい言葉だと思いませんか?





~「麦ふみクーツェ」いしいしんじ・新潮文庫~


これはもう、我々4T周辺では「なにをいまさら」な作品ですけども。


主人公「ねこ」を取り巻く環境を描いた圧倒的傑作。

音のわからない紙の上で音楽の素晴らしさを説いた作品、という意味では「BECK」の百倍素晴らしいです。

ちなみに、我々の企画「大合奏会」のネーミングはこの作品に由来しています。


淡々と描かれる悲劇の表現が、また素晴らしくて。

人生をいかに充実させるかは、少なからず起こりうる悲劇に対してどう対処するかだと思うんですよね。


この作品を我々に教えてくれた野澤君には、本当に感謝します。

彼が読んでるかと思うと、ここでこんな稚拙なレヴュー晒すのも恥ずかしいですけどね。




~「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎・新潮社~


はい、常々俺がフェイバリットに推す作家、伊坂幸太郎の作品。

これは去年映画化されたんで知ってる人も多いかと思いますが。


国家権力によって無実の罪を着せられた主人公の逃走劇。

端的に説明すると、マイノリティーとマジョリティーの戦いですね。


伊坂幸太郎って、東野圭吾と比較されてるのをよく目にしますが。

俺の足りない語彙を使うならば、どちらも「ヒューマン・ミステリー」だからなんでしょうか。

個人的にはね、まったくの別物だと思います。

(前提として、俺は東野圭吾も、伊坂幸太郎とまでは言わないまでもそれなりに読みましたけど)

伊坂幸太郎はね、登場人物すべてを救ってるんですよ。それこそ敵役すらも。

世に出る全ての作品ってね、不特定多数に発信する以上エンターテイメントに昇華しなければならない、と個人的には思っていて。

伊坂幸太郎は、それを体現している作家だと思うんですよね。


理不尽な悲劇に巻き込まれて、結果を見てもやっぱり不遇な環境に追い込まれて。

それでもなお、読み終えた後に親指立てて「やったな!」って言えるんです、この作品は。


けっこう好き嫌いが分かれる作家だと思うんですけどね。

場合によっては「俗っぽい!」って毛嫌いする人もいると思いますが。

もしも興味を持ったら「重力ピエロ」から読んでみてください。

じゃあハナっからそっちを紹介しろよ、って話ですけど笑




~「THE BOOK」乙一・集英社~


俺の心の漫画第一位、「JOJOの奇妙な冒険」を乙一が小説家したもので、

第四部を舞台に描かれた作品。



この乙一という作家。名前は知っていたんですけどね。

この日記によく登場するさっちゃん、そして柳井君(リンク)が好きでして。

二人が何作か貸してくれて読みまして。どれもけっこう面白かったんですよね。


でね、このJOJOをモチーフとした作品が出てたのも知ってたんですけど。

ちょっと敬遠してたんですよ。

実はJOJOが小説化されるのってこれが初めてではなくて、一番始めは俺が小学生くらいの頃に別の作家で出てて。

もちろん俺は当時からJOJO好きでしたから。当然それも購入して読んだんですけど。

正直、がっかりだったんですよね。まったくJOJOの世界感が損なわれていたので。

「やっぱり別の人が書いたものは別物だ!」って。

なもんでこの乙一作品も出版されてから何年かはスルーしてたんですよね。


で、さっちゃんと柳井君に薦められてからちょっと興味を持ったんで。

遂に読んでみようと購入に至ったんですけど。



これ、凄いですよ。

まずね、JOJOに対する愛情が半端ない。

読み込んでますよ、間違いなく。俺が前に読んだJOJOの小説書いた人とは段違いで。

「ああ、それ言いそうだわ!」って関心するほどのセリフのオンパレード。

オリジナルストーリーなんですけどね。画が思い浮かぶんですよね、荒木先生の。


これはあとがきで知ったんですけど。

乙一さんってJOJOを小説化するのが夢で、「ジャンプノベル」っていう集英社が始めた小説部門選んでデビュー作応募したそうで。

さすがに夢の実現した作品ですからね、かなりのクオリティーです。


そして、よしんばJOJOを知らない人が読んだとしても、それに耐えうる中身の濃さ。

単純に小説として読んでも、充分面白いものとして仕上がっています。


もしもJOJOが好きでこれを読んでないという人。

必読です。

「魔少年ビーティー」「バオー来訪者」の前にこっちです。

それぐらい言っても差支えないですよ。









まだまだ紹介したいのいっぱいあるんですけどねえ。

いつかもう一回くらい活字編やりたいと思います。

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